「根回し」という言葉に対してどんなイメージを持っていますか?
せこい、カッコ悪い、くだらない。。そんなネガティブなイメージも少なからずあるのではないでしょうか。
しかし、根回しが出来ない会社員はずばり仕事が出来ません!
今回は従業員数3,000名以上の企業で経営メンバーに根回しをした経験を踏まえ、根回しの必要性とやり方について書いていきます。
根回ししない会社員は仕事ができない
なぜ根回しが必要なのか
そもそも根回しは必要なのでしょうか。
コトバンクによると根回しとは「会議や交渉を円滑,有利に運ぶために,非公式の場で合意の形成をはかること」とあります。
「白は白、黒は黒、正しいことを言えないといけないんじゃないですか!」
そんな半沢チックな考え方は間違ってはいないと思うのですが、実際に物事を通そうとするときはそう簡単にはいきません。
なぜなら、正しいことであればいつも承認されるとは限らないからです。
自分の提案をロジカルに作りこめた自信があった時、意外に上からのウケが悪くてがっかりしたなんて経験ありませんか?
もしかしたらそれは提案の中身の問題ではなく、進め方の問題だったのかもしれません。何かを提案するということは、なんらかの形でこれまでのやり方を否定していることになります。
提案を承認する立場の人からすれば、これまでの自分のやり方を否定されているようにとらえてしまう場合もあるわけです。
そういう意味で根回しとは、承認する側の感情に寄り添う行為と言えると考えています。
根回しは悪いことじゃない!
いやでもやっぱり事前にこそこそやりとりするのって潔くないのでは?正々堂々やらないでいいのか!
やっぱりそう思ってしまうまじめな方もいると思います。そういう時は一度心の中で問いかけてみてください。
「この提案は本当に通したいものなのか」
ドラゴンボールの劇場版ではたまにえげつなく強い敵が現れます。最初は悟空、ベジータは個々で戦いますがどうしても勝てないことに気づきます。
プライドが高いベジータはライバルの悟空と合体なんかしたくないのでフュージョンを拒絶します。それに対し悟空はこういって諭します。
「フュージョンしねえと地球が滅んじまうぞ。」
そう、どうしようもない時にはなりふり構っていてはいけないのです。却下されることが最悪の結果という時は、迷わず根回ししましょう。
根回しが有効なシーン
ではどんなシーンで根回しが有効なのでしょうか。主に以下のパターンで根回しは効果を発揮します。
未知の事象、前例がない時
前例が無い事象に対しては根回しが効果を発揮します。
冒頭根回しとは承認する側の感情に寄り添う行為だと言いましたが、基本承認者は初めて聞く事項というものが嫌いです。
前例がない事象であればなおの事、本当にこれを承認してしまって大丈夫なのかと身構えてしまいます。
なぜこの前例がない事象を承認してもらいたいのか、検討に際して漏れがないかを丁寧にインプットすることが必要になります。
お金のインパクトが大きい時(特に悪い事象)
金額規模が大きい時もまた根回しが有効です。というかやらないと詰んでしまう危険性すらあります。
なぜなら金額規模が大きい時=決裁レベルが役員クラスなどの上位かつ関係者が多くなる傾向が強いからです。
大きい案件を獲得できそうです!などのポジティブな話であればまだ良いですが、採算が悪化しそうなどのネガティブなケースは慎重に根回しをしておかないと、直属の上司もろとも著しく評価を下げられるなどひどい目にあいます。
根回しのやり方
根回しを行うには、順番とタイミングを綿密に計画して行う必要があります。せっかくの根回しも打つ手を間違えると悪手となりかねないので注意が必要です。
全ての提案の根回しに共通したやり方があるわけではありませんが、以下のステップを踏むことが多いです。
STEP1:どのレベルまで根回しが必要かを合意する
まず今回提案するものはどこまでの根回しが必要なのかを決める必要があります。合意する際は最終的にその提案を発議してもらう方(提案の責任者)と握るようにしましょう。
提案の内容によっては決裁レベルは担当役員だけど、そのうえの常務まで根回ししておいたほうが通りやすそうだなという判断もありえます。
まずはこの段階で根回し範囲を合意して固めてしまいましょう。
STEP2:デッドラインから逆算した根回し計画を合意する
その提案を最終的にいつ通したいという期日から逆算して根回しの計画を作成し合意します。これもSTEP1と同様提案の責任者と合意しましょう。
提案の規模や性質によりますが、あまり正式に提案する期日から間があかないと、根回しされた側からしても考える猶予がないのでかえって怒りを買います笑
かといって忙しい決裁者からするとあまり早くにインプットされても忘れてしまうので丁度良いころ合いを見計らって計画を立てましょう。
STEP3:根回しの順番を合意する(基本下から上へ)
根回しの順番を決めましょう。基本は職位が上の方が最後に来るように調整します。ただし説得しやすい順番があるのであればそこは考慮する必要があります。
例えば提案のスキーム自体は受け入れられやすそうだけど、支払いなどキャッシュフローの点で懸念があるのであれば経理担当の根回しを先に行っておくという感じです。
ちなみに、この根回しをする際に”突っ込みどころをあえて残す”というのも有効なテクニックです。
あまり最初からがちがちに固めすぎてしまっても、承認者からすると手放しで了承というのはしづらいものです。
説明する立場の人に応じてあえて突っ込みどころを残して、回答は実は持っているという状態がスマートです。
根回しに対する印象が少しは変わりましたでしょうか。残念ながら大半の日本企業では根回しは必須スキルであると言えます。
日本企業に限らず外資系企業においても、個人が成果を上げるためにいかに上位を味方につけておくかという根回し合戦があるという話も聞きます。
泥臭くやることがスマートに仕事をこなすことへの近道です。ばんばん根回しして名をあげましょう!
番外編:
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