供給過多時代においてはモノ思考ではサービスが売れなくなりました。お客様の行動を正しく捉え、自社サービスをお客様に届けるにはどのような戦略が必要なのでしょうか。
今回はマーケティングの常識を破壊する方法についてです。
マーケティングの常識を破壊する方法
モノ思考のワナ
事業を行うと当たり前ですが一生懸命に売上をあげようとします。
そこで陥りがちなのが、商品を改良したり価格を下げたりといった商品そのモノだけに着目した施策を打ってしまうことです。
残念ですがこれだけでは売れるようにはなりません。何故ならそのような施策はお客様の行動(カスタマーアクション)を無視しているからです。
例えばジャムを販売する際の実験があります。
上記のように種類が多すぎると逆にジャムは購入されないということがわかります。(ジャムの種類が4分の1のほうが購入率は10倍高い)
このことからも、モノそのものだけでなく、お客様の行動に注目することの大事さがわかります。そもそもこの事例におけるお客様とはどのように定義すべきでしょうか?
ジャムを売ろうとしたときに、ジャムを売るお客様を”パンを食べる人”と限定してしまうことで範囲が狭まってしまい、結果どんなジャムなら売れるだろうというモノ思考に陥ってしまいます。
そこで、パンを食べない人にもジャムを食べてもらうにはどうすれば良いのかを考えることで新しいアイディアが出てきます。
このような考え方はお客様に目を向け、顧客体験をすることで生まれる発想です。アメリカの大手ドラッグストアでも同様の事例があります。
実際にドラッグストアで顧客体験をしてみると、欲しい薬がないのではなく、欲しい薬が手に入るまでの時間がかかりすぎることがわかりました。
そこでそのドラッグストアでは処方箋を発行できる薬剤師を直接ストアに配置し、薬を提供するまでの時間を短縮することで大幅な売上増を実現しました。
行動思考を実践する方法
それではどのようにしてモノではなくお客様の行動に着目した施策が打てるようになるのでしょうか。
それにはVOTフレームワークを活用します。
Value
⇒自社の提供している価値は何か
Obstacle
⇒何が自社の価値を妨げているのか
True-reason
⇒自社の価値が選ばれる本当の理由は何か
このフレームワークで、もう一歩踏み込んでお客様の行動に着目することができるようになります。
例えば以下のような事例が挙げられます。
Obstacleの状態で頑張っても泥沼にはまるだけです。背景にあるお客様の行動を整理して考えることで、効果的な施策が打ち出せるようになります。
では映画館の来場者数が減っているという事態に対してこのVOTを使うとどのようになるでしょうか。
Value
⇒映画の上映、大スクリーンでの興奮
Obstacle
⇒ネットフリックス等の動画配信サービス
True-reason
⇒移動時間で見たい、
リラックスしてみたい、
短い時間でみたい
動画配信サービスの普及で、最新の映像作品を好きな時に見られるということが阻害要因だとわかりました。
映画館で上映する上で短編の映像をばんばん作ろうということはできませんし、だからといって予算をかけたクオリティの高い映像だけ見てもらうということはできません。(モノ思考)
しかし動画配信サービスを見ている人の行動で取り入れることができる部分があります。”リラックスした状態で映像作品を見る”という行動です。
例えばこのリラックスに着目していくつか施策を打ち出すことが出来ます。
実際にリラックスできる映画館としてサービスを提供している場所が日本にもあります。
人は他人に言われた通りに動かない
ここまで人の行動に即したマーケティング、サービス設計を行う方法について見てきました。ここからはもう一歩踏み込んで、人の行動を誘導する方法についてです。
なぜ誘導する方法が必要なのかというと、そもそも人は他人の言うとおりに動いたりしないからです。
上記の例では、こどもが自然に片づけをしたくなるような仕組み(=バスケット型の箱)で自然に行動を促しています。
このような行動を促す仕組みを作ることをPROCESS AUTOMATION MECHANISM(略してPAM)といいます。
PAMの実行例
PAM(Process Automation Mechanism)を実行するには物理的な仕掛けと心理的な仕掛けの両面が必要になります。
物理的仕掛け
物理的仕掛けとは1つの事象から先手を読んだ仕掛けを行うアナロジー戦略のことです。
例えば夏場に飲み物を売りたいと思ったときに、飲み物そのものをいきなり売り出すのではなく、氷のグラスを無料で配ります。
そうすると人はそのグラスに飲み物を入れたくなるので、勝手に飲み物が売れていきます。またあるコーヒー屋では、席に焙煎体験ができるキットを置いています。
来店客は豆を挽いてみたいので豆を購入します。そうすることで豆のボトルキープがされるため、次回以降の来店につなげています。
いずれも共通するのは飲み物やコーヒー豆という売りたいものそのものではなく、それらを売るための仕組みを打っていることです。
心理的仕掛け
心理的仕掛けの例も見ていきましょう。
ある居酒屋では、ビールを販売する際に泡とビールの黄金比率の部分に線を引いておいてお客様に自分で注いでもらうようにします。
そして線ぴったりで注ぐことが出来たらミックスナッツをプレゼント!すると不思議なくらいビールが売れていきます。
みんな線ぴったりにとめてナッツをもらいたいという心理で何回も挑戦するのと、ナッツがしょっぱいので飲み物が欲しくなるのです。
よくポイントカードで再来店を促そうとしているところが多いですが、ポイントをためること自体はそのお店に再来店したいという目的と合致していないため有効な施策とはいえません。
これら物質的仕掛けと心理的仕掛けを組み合わせて、お客様の目的に合致した行動を促す仕組みを作ることは、継続的な収益を作ることにつながります。
まずは既存のサービスのお客様の行動を分析するところからはじめましょう!
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本記事はオンラインビジネススクールURUの講義内容を元に記載しています。関連記事は以下です。
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